「ユーザーの管理とプライバシーを尊重する」とは何か?

1.

規約はコピーを認めてるし(むしろ毎回アクセスとか迷惑)、連動して消す条件はないですよ
https://dev.twitter.com/ja/overview/terms/agreement

開発者ポリシーの冒頭と「3. ユーザーの管理とプライバシーを尊重する」を参照してください。現行ルールで、5年前のサポート回答が覆るとは私には思えない。

とりあえずブコメで反応しましたが、開発者規約を読み返してみても、「規約はコピーを認めてるし(むしろ毎回アクセスとか迷惑)」に該当する部分が私には見つけられません。

「連動して消す条件はない」については、2011年当時と規約の構成も文面も変わっているけれども、ユーザーの権利を尊重することを強調している以上、「(多少のタイムラグはあっても)ユーザーが消したツイートは消す」という条件を満たさない再利用が認められるわけがない、という私の主張には変わりないです。

2011年の記事

2.(2016-12-30 01:17:30)

 次のいずれかを行う前にはユーザーの明示的な同意を得てください。
 1~4 略
 5 非公開のコンテンツ、個人情報、機密情報を共有または公開する。

私が5年前にサポートに問い合わせたのは、「いったん公開された後に、非公開または削除されたツイート」を転載し続けるサービスは規約違反か否か、でした。

結論は「規約違反」だったわけです。

最初から非公開のツイートの再利用は明確にポリシー違反だとして、当初は公開されていたツイートが後から非公開になった場合はどうなんだ、という点について、2016年のポリシーでも明示されてはいません。でも、基本的に5年前と状況は同じなので、サポートの回答が変わるとは、私には思えません。

Twitterからの要請があった場合、次のアクションを迅速に行うためのあらゆる妥当な努力を行ってください。
1.Twitterから削除済みまたは期限切れと報告されたコンテンツを削除する。
2.変更された共有オプション (非公開になったなど) の対象であるとTwitterから報告されたコンテンツの扱いを変更する。
3.Twitterから変更済みと報告されたコンテンツを変更する。

たぶん5年前にはなかった記述。「要請があった場合」なので、「要請がなければOK」とも読めるわけですが、そもそもが「3. ユーザーの管理とプライバシーを尊重する」という大目的の中にある説明なのだから、「(積極的な)要請がなければOK」という読みは成り立たないと思うんですね。

「最悪でもこれだけは守れ」という話であって、要請がなかろうと、「ユーザーの管理とプライバシー」を守ろうとするのが大前提でしょう。削除、非公開化といったユーザーの操作に対して、無頓着であっていいわけがない。

3.(2016-12-30 01:48:56)

本契約で許可されている方法で、お客様のサービス内およびお客様のサービスを介して、合理的な量のコンテンツをコピーし、エンドユーザーに対して表示する

私は「本契約で許可されている方法で」を重視するので、Togetterのような無断転載が許されるとは解釈しませんが、mohnoさんの論拠は理解しました。

出版物へのツイートの利用については、事前に各ユーザーの許可を取ればいいという話でしかないと私は思いますね。

そうやってユーザーの権利と折り合いをつけていくことを、開発者ポリシーは要請しているのだと、私は認識しています。まあ、そこは別の読み方もあるでしょう。

twitter の規約上、削除したツイートが使われ続けることについてユーザーは文句を言えない

これは、ほぼ入れ違いになったハイク投稿(上記「2.」)に書いた通りで、ポリシーを踏まえれば、「そんなわけがない」と思います。Twitter社が本当にそんな態度であるならば、「ユーザーの管理とプライバシーを尊重する」はどこへ行ったんだ?という話になります。

TogetterをBANしていないことを何らかの論拠とすることも、私は全く支持しません。テレビ局はYouTubeに勝手にアップされているドラマのコピーについて、全て抗議して消しているわけではありませんが、それを見て「テレビ局はこれらのアップロードを正当なものとみなしている」と解釈するのは(私の感覚においては)馬鹿げています。

TwitterがいちいちTogetterを排除していないことをもって、「ユーザーの管理とプライバシー」を少なくとも十分には(勝手に転載してから苦情があれば1ツイートずつ個別に受け付ける程度にしか)「尊重」しないTogetterをを「正当」と判断しているとみなすのは、同様に馬鹿げた発想だと思うわけです。

もし本当に正当とみなしているなら、Twitter社が「ユーザーの管理とプライバシーを尊重する」なんてポリシーを掲げているのはユーザーを騙すがごときであり、私としては許せませんね。

……とまあ、私の側の反論はしましたが、いずれも決定的な説得力があるとは、思っていません。私の感覚においては「自明」な話をしているのですが、実際には「自明」じゃないから見解が分かれるわけですよね。

4.(2016-12-30 02:09:31)

「ユーザーの管理とプライバシーを尊重する」というのを単なるお題目、ただそう書いてあるだけ、本音と関係ない空証文とみなすのか、本音・本気のポリシーとみなすのか、という問題がある。

私は、公式RTや、公式に実装されたQTの仕様を見る限り、本気だと思っている。

むかし非公式RTというのがあって、文字数の都合で改変・短縮されて誤解の起点になったり、消されたツイートをしつこく「晒し上げ」るのに使われたりする場面があったのだけれど、公式RTなどの仕様は、いずれも元ツイートをしたユーザーの権利をきっちり守るものになっていた。

公式の仕組みなら元ツイートはちゃんと全文が表示されるし、元ツイートが消されたり非公開になったりすれば、引用先でも消える。さすがだ、と私は感心した。これならTwitter運営を信頼できると思った。

私はそう思ったけど、みんながそう思うわけじゃない。それはそういうものだ。

でも、実際にTwitter運営が実装してきた仕組みを見知っていてもなお、Twitter社はユーザーの権利など尊重する気がない、Togetterのやっているような無断転載を是とするだろう、と考える方が、mohnoさんや、Twitterで対話させていただいた鷹野さんのような、(平素の発言を拝見していて)私には聡明に見える方の中にも少なくないというのは、正直、当惑する。

「バカ」と話が通じないのは、もう気にしない。でも、mohnoさんと、ここで解釈が割れるのは、まあ完全に私の勝手ではあるのだけれど、堪える。私の考える「自明」も「確信」も、ただの思い込み、幻想に過ぎないという事実を突き付けられているわけだ。

はてなハイクより転載)