クロスワードパズルを「解かない」

f:id:deztecjp:20190924001300j:plain

  1. クロスワードパズルで気楽に遊ぼう
  2. ぬりわけパズル
  3. レガシー系アブストラク

ぬりえパズル3部作の最終作です。

できた順に並べると『ぬりえパズル「三色定理」』『ナンプレを「解かない」』『クロスワードパズルを「解かない」』となります。

ぬりえパズルを、ホンモノのぬりえでやると、点のように小さなマスもあれば、ページの半分くらいを占めるバカデカいマスもあり、1ページの総マス数も少ないページと多いページとで10倍くらい違っていたりして、とにかく安定しない。

逆にそれがいいところだと開き直って、しかしゲームとしてなるべく理不尽のない、ゲームに適したぬりえ本を探して探してまとめたのが『ぬりえパズル「三色定理」』です。他方、根本的にゲームとしての品質が安定している形を追い求めた結果、たどり着いたのが『ナンプレを「解かない」』です。

これでいったん満足したんですけど、「3人用」を捨てて「2人用」にしたら「クロスワードパズルでもいけるよな……」と思いついてしまって。これが意外と、プレイ感覚が他の2作と違ってくるのです。

具体的には、判断ミスをしたら、その一瞬後には「あっ!」となる、みたいな。他だと、しばらく経ってから「なんであんなところチェックしちゃったんだろう……」と後悔するのだけれど、そのタイムラグが少ない。見通しが立ちやすいんですね。

f:id:deztecjp:20190924001308j:plain

負けている側にも「善戦している感」があるのが、このゲームのいいところ。

実際のメカニクスとしては、初手からずっと最終的な勝敗にガンガン効いてきて、劇的な逆転は相手のミスなしには起き得ない「積み重ねのゲーム」です。しかし素人目にも優勢・劣勢が明らかになるのは、ゲームが終盤に入ってから。

……というと「それは欠点では?」という意見が出ると思うのですが、たぶんそれはゲームが得意な人の意見。お互い終盤まで好きなように(ストレスなく)プレイでき、最後にパッと答え合わせのように勝敗が決まる方が、ゲームが苦手な人にとっては楽しいと思います。

序盤からずっと劣勢が明らかな状態でプレイし続け、我慢して我慢して、結局そのまま負けるのとか、ツライですよ、やっぱり。そのツラさがあるからこそ戦術を練る工夫が……というのは、戦術を考えるアタマがある人の意見でしかなく、どうせ何も思いつかない勢にとっては、混とんとした状況で、ルールに従ってコツコツ得点できる方が気持ちいい。

まあ、以上は私の個人的な体験をベースにした話なので、本当のところ多くの方にとって本作が「気持ちよく遊べるゲーム」になっているかどうかは、わかりません。お手に取って、ご確認いただければ……と願うばかりです。